27. Forsythia/3つのレンギョウの身体的特徴

Forsythia

Forsythia suspensaの身体的特徴

Forsythia suspensa(フォーサイシア・サスペンサ) 和名:レンギョウ
中国を主要な原産地とし、朝鮮半島にも分布が確認されるこの種は、日本への渡来時期については諸説があります。

英名は「Weeping Forsythia(ウィーピング・フォーサイシア)」または「Golden Bell(ゴールデン・ベル)」。

種小名suspensaが示すように、半つる性の枝が優美なアーチを描いて地面へと垂れ下がる姿を最大の特徴とし、このレンギョウ属唯一の際立った姿が、出島の三学者の一人、植物学者トゥンベルグをして「ライラック」と見誤らせた遠因ともなりました。

茎は節の部分にのみ固い仕切りを持ち、節と節のあいだは完全な中空となっています。

これはレンギョウ属の中でもForsythia suspensaの身体にのみ見られる特徴です。

葉は対生し、長さ2〜10cm、幅1.5〜5cmの広卵形で、先は尖り、縁には鋸歯があります。

秋には緑から黄緑色へと変わり、落葉します。

黄色で4弁の花は早春、葉より先に咲きます。

花には雄しべが2つ、細い花柱が1つあり、柱頭は2裂します。

この花は、古くは『倭名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』という、平安時代にて天皇の皇女の命により編纂された辞典において、「以多知久佐(いたちくさ)」「以太知波勢(いたちはぜ)」という和名が充てられています。

江戸時代中期には、炭 太祇(たん たいぎ)という俳人によって、この花の句が詠まれています。

「連翹や黄母衣(きぼろ)の衆の屋敷町」(太祇句選)

その句において、春に咲く鮮やかなレンギョウは黄母衣衆と呼ばれる、黄色い布を精鋭の証とし、かつては豊臣秀吉に仕えた部隊の武家屋敷の活気と重ねられました。

Forsythia viridissimaの身体的特徴

Forsythia viridissima(フォーサイシア・ビリディッシマ) 和名:シナレンギョウ 中国名:金鐘花
中国南部を主な自生地とし、韓国にも分布が確認されるこの種は、レンギョウ(F. suspensa)とは異なり、枝が直立してやや平らな頂を成す姿が特徴です。

viridissimaの茎の髄は節を含めて全体にわたり格子状の仕切りを成します。

それは、F. suspensaが「節では固い髄、節間のみ中空」という構造を持つのとは対照的であり、この髄の違いが両種を識別するための重要な手がかりとなっています。

また若い茎は緑色を帯びることから、この種にはラテン語で「最も緑の」を意味する”viridissima”と名付けられました。

花冠は幅約3cmの深い黄色で、緑がかった色合いを帯びることがあり、4裂した裂片は狭い長楕円形で外側へ反り返ります。

1844年から1845年、スコットランドのプラントハンター、ロバート・フォーチュンは浙江省舟山の士大夫の庭園でこの植物に出会いました。

彼はウォーディアン・ケースにこの種を収めて英国王立園芸協会へと送りました。

その株が最初の花を開いたのは1847年のことでした。

一方ヨーロッパの庭園では、F. suspensaがすでに長年にわたり唯一のレンギョウとして親しまれていました。

やがてF. viridissimaは、F. suspensaをしのぐほどヨーロッパの庭園に広まっていきます。

F. suspensaとともに現代のレンギョウ園芸品種の「創始種」と呼ばれるviridissima、この2種は、1878年に発見されたF. x intermediaの両親でもあります。

ただしF. viridissimaは他のレンギョウより約2週間遅く開花する性質を持ち、早春の黄金色の饗宴にやや遅れてそっと加わる存在でもあります。

Forsythia x intermediaの身体的特徴

1878年、イギリスの植物学者ロバート・フォーチュンが中国の士大夫の庭園にてレンギョウの新種を発見した30年後、プロイセンの大学でも新たな種が発見されました。

名をForsythia x intermedia(フォーサイシア・インターメディア)
それは、偶然が生んだ産物でした。

F. suspensaとF. viridissimaの交配から生まれたこの雑種は、1878年の夏、ゲッティンゲン大学の旧植物園にてヘルマン・ツァベルの目に留まった一本の実生でした。

ツァベルはその苗木が両親種の中間的な性格があることに気づき、1885年にドイツの学術誌において、Forsythia x intermediaと正式に記載しました。

なお、実験的な交配という意味ではフィラデルフィアのトーマス・ミーハン(Thomas Meehan)が1860年代にすでに試みていましたが、その苗木は商業的に普及するには至りませんでした。

この花は、「intermedia(中間の)」という名が示す通り、両親種の中間的な特性を持ちながらも、両者の良所をあわせ持っています。

F. viridissimaの剛直な直立性と、F. suspensaの豊かな花付き、そのどちらもを兼ね備え、さらに雑種強勢(hybrid vigour)によってそれら2つの力は両親をしのぐほどに強くなりました。

直立した弓状の枝は3〜4mにまで成長します。

Forsythia x intermediaの中には「スペクタビリス(Spectabilis)」と呼ばれる、大輪で多花性の花を持つ種も存在し、それは今もヨーロッパの庭園に広く普及しています。

晩冬から早春、まだ葉のない枝に鮮やかな黄金色の花を一斉に咲かせるその姿は——温度の変化にもよく適応し、薄暮の中でさえ光を放つと言われます——そして、やがて葉が茂り始めれば、周囲の緑の中に静かに溶け込んで消えてしまいます。

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