アジアにおけるレンギョウの歴史
日本への渡来は遥かに古く、8世紀の奈良時代、元明天皇の命により編纂された出雲(現在の島根県)に纏わる逸話が記された『出雲国風土記』や、平安時代中期に当時の神社や役職の格が記された歴史書『延喜式』にレンギョウの名が見られ、平安時代初期には薬用として伝来したとも言われています。
ただし実際の渡来時期については諸説があり、江戸時代前期に栽培の記録が残ることから、江戸時代に渡来したという根強い説も残っています。
中国では、後漢から三国の時代にかけて成立したと言われる薬物書『神農本草経』にも収録され、長い歴史の中で伝統的な本草として記録されてきました。
Forsythiaの植物としての特徴
レンギョウ属(Forsythia)は、香りの強い種を多く擁するモクセイ科に属し、冬になれば葉に覆われた四肢をあらわにする落葉樹の一種です。
この属は、ほぼ全てが東アジア原産ですが、1種のみがバルカン半島——アルバニアとコソボの山岳地帯——に自生していて、それは氷河期から存在する生きた化石とも呼ばれます。
草丈は通常は1〜3mで、種や条件によっては稀に6mに達することもあります。
茎は節を除いて中空または格子状の髄を持ちます。
この髄の構造の違いは、レンギョウ属の中で種を見分けるための重要な手がかりとなっています。
その外側には樹皮があります。
灰褐色で膨らんだ皮目を多く持つそれは齢を重ねるごと、やがて浅い縦の裂け目が現れます。
柔らかい半つる性の枝は弓なりに湾曲して伸び、地面に接触すると茎の先端から根を出して新たに繁殖していきます。
この植物の最大の特徴は、葉が芽吹くより先に花を開くことです。
早春(3〜4月)、まだ冬枯れの枝のままに、鈴のような形をした4弁の黄金色の合弁花が細い枝を満たすように咲き連ねます。
花弁は基部のみで合流した深い4裂を呈し、雨天時には垂れ下がり、内部の生殖器官を守ります。
花は成熟した古い枝(前年枝)に咲くため、翌年の花芽は開花直後に形成され、次の春に備えます。
やがて花芽は冬の寒気にさらされて開花の準備は整います。
花が咲いたあと、秋には濃緑色の葉が現れます。
それは黄緑色となり、時に紫がかった色へと変化し、落葉します。
受粉した花は秋に楕円形の乾いた蒴果を結び、成熟すると蒴果は開き、翼のある種子を風に散らします。

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