Muscariの生態
Muscari(ムスカリ)は下から上に向かって花を咲かせるため、基部に近いほどタネの形成が早く上の花が若い内に、成熟した下の花がその重みにより植物全体を揺らし、虫による花粉の散布を自らも行います。
Muscariのもう一つの花言葉
「明るい未来」という花言葉を持つ一方でこの花には「失望」という、もう一つの花言葉があります。
この植物の花序の形態を指す”raceme”はラテン語でブドウを意味する”racemus”に由来します。
そして、ブトウのような形態とHyacinth(ヒヤシンス)に似た姿から、Muscariは”grape hyacinth(ブトウヒヤシンス)”と呼ばれることがあります。
その上で、MuscariとHyacinthは近い祖先に同じ親を共有していて、Hyacinthにまつわる悲劇の神話とMuscariは結び付けられることがあります。
ギリシャ神話において、Hyacinthは嫉妬によって殺された少年から流れた血から生まれた花とされ、Hyacinthの名もその少年の名からつけられています。
物語の終わりと季節の夜明けを象徴するMuscariは一年の始まりに、その成長の過程で茎の根本から先端である頂上に向かって次々と花を咲かせ、やがて春を通して天に尖った塔の姿を形作ってゆきます。
Muscari botryoidesの特徴
Muscariと呼ばれる種には様々な形を持つものが存在していますが、Muscari botryoides(ムスカリ・ボトリオイデス)という種では壺型の15個から20個の花が茎の周りに、螺旋の円状に整然と並び、さらにその上に花弁が閉じた複数の花を生じます。
葉のない茎に、時に40個もの花をつける姿を人が遠目に見れば、あるいは虫にとって、いくつものそびえ立つ灯台が導いているように見えるのかもしれません。
Muscari botryoidesの生息地
Muscari botryoides、この種はアメリカの乾燥地域を除いた全土及び、北米においてはカナダ、ヨーロッパ地域においては北欧のバルト海沿岸に到るまで、他の種に比べて北方への分布が目につく種です。
Muscari comosumの生息地と文化
botryoides種に対し、アフリカ大陸北西のカナリア諸島から中央ヨーロッパを経て中東のペルシャ地域に至る範囲を起源に持ち、その分布をヨーロッパから北アフリカのエジプトやリビアといった南方へ広げるMuscari comosum(ムスカリ・コモサム)という種が存在します。
紀元1世紀のローマ帝国の時代、帝国で海軍、そして陸軍の司令官を務めたガイウス・プリニウス・セクンドゥスの手記には、この種の球根を酢、油、魚醤と食したという記述があるそうです。
また、地中海沿岸部、特にイタリア南部ではランパショーニという食材として今でも料理に使用されています。
Muscari comosumの特徴
このcomosumという種はbotryoides種と同じmuscari属でありながら、
botryoides種ではいくつもの壺型の花が螺旋状に天にそびえるのに対し、
comosum種は一見して細く長く縮れた花を咲かせ、その羽のような姿からハネムスカリという別名がつけられています。
その花をよく観察すると、鮮やかな青紫色の楼台のような形をしており、botryoides種と同じように房状に花を咲かせています。


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